今回は、WEBサイト専門のブロガーの意見を読んで、サイト構築のポイントを学びましょう(といっても本題に入る前までの文章なのですが…)。

Why You Should Put All Your Eggs In One Basket

Ever hear the expression “never put all your eggs in one basket?” It sounds like sage advice, but does it work? Can you build a profitable online business by diversifying? Probably not. Diversification is a great strategy for someone who already achieved success. However, if you’re getting started, you should, as Andrew Carnegie says, “put all of your eggs in one basket, and then watch that basket.” I know this goes against what many of you believe, but hear me out.

The Thesis Statement by Derek Halpern

http://diythemes.com/thesis/eggs-in-one-basket/

【 単語・熟語 】

sage /séɪdʒ/  【形】 賢い、賢明な、思慮深い
work /wˈɚːk|wˈəːk/  【自動詞】 機能する
diversify /dɪvˈɚːsəfὰɪ/  【他動詞】 〈…を〉さまざまに変化させる,多様化する.
profitable /prάfɪṭəbl|prˈɔf‐/  【形容詞】 もうけの多い,有利な.
put all one's eggs in one basket  ひとつのことに全てを賭ける、退路を断つ
go against… (1) 〈人・意向など〉に逆らう
(2) 〈事が〉〈信念など〉に反する, …の気持ちにそぐわない
hear me out 最後まで聞いてください

【 訳 】

『退路を断つほうがいい理由』

「退路は残しておけ」って表現を聞いたことってある? ご立派なアドバイスっぽいけど、うまくいくのかなァ? 君は儲かるオンライン・ビジネスを多様化して構築することができる? 多分できないんじゃないかな。多様化は、既に成功した人には、卓越的な戦略だ。 だけど、君が初心者なら、アンドリュー・カーネギーが言っているよう「退路を断ってひとつに絞って」作った方がいい。 このやり方は多くの人の信念に反するってことは分かっている。けれど、ちょっと、ボクの話つきあってよ。

【 スラッシュ・リーディング 】

(Did you) ever hear the expression/ 次のような表現を今まで聞いたことがありますか?
“never put all your eggs in one basket?” / 「一つに絞るな(退路は残しておけ)」という表現を
It sounds like/ それはまるで(次の)ようだ
sage advice,/ 思慮深い忠告(のようだ)
but does it work?/ しかし、機能するのだろうか?
Can you build a profitable online business / あなたは儲かるオンラインビジネスを構築することができますか?
by diversifying? / 多様化して
Probably not. / 多分できないでしょう
Diversification is a great strategy / 多角化は卓越的な戦略です。
for someone who/ (次のような)人にとっては
already achieved success. / 既に成功を成し遂げた(人にとっては)
However, / しかしながら
if you’re getting started, / あなたが始めたばかりの状況なら
you should/ あなたはすべきです
, as Andrew Carnegie says,/ アンドリュー・カーネギーが言うように
“put all of your eggs in one basket, / 一本に絞って
and then watch that basket.”/ 集中(すべきです)
I know / 私は分かっています
this goes against/ これが(私が今行ったことが)反することを
what many of you believe,/ あなた達の多くが信じていることに(反することを)
but/ しかし
hear me out. / 最後まで聞いてください

【 put all one's eggs in one basket 】

直訳すると「すべての卵を一つのバスケットに入れる」。卵を運ぶ際、一度に全部入れて運び、万が一、バスケットを落としてしまうと、 卵全部が割れてしまうので、何回かに分けて運んだほうが無難だ、といったところから「取り返しの付かない行動をする」、 「無謀なことをやる」とか「一つに絞ってやる」みたいな意味になったそうです。

訳文では”never put all your eggs in one basket”は「退路は残しておけ」、 ”put all of your eggs in one basket”を「退路を断て」と、思い切って意訳しましたが、 これは後に続く、中国のXiang将軍の話に内容を合わせるためです(本家で読んでください)。

こういった言い回しは、知らないことには訳せないので、コツコツと貯めこんでいくしかありません。というより、 こういった表現を蓄えることによって、ネイティブが実際に書いたり話している内容が理解できるようになってくるのです。

この後に出てくる”get the lead out”という表現も「鉛( lead /léd/ )を外に出す」ではなく、急ぐ(hurry)、すぐにやる(move faster) といった意で使うことを知らなければ、お手上げでしょう。

ぶっちゃけた話、学校で習う英語はアメリカ(やイギリス)では通用しません。というか、こちらの学校英語は通じても、 相手はああいった話し方はしてくれません。 これは、実際、海外に行ったことのある人なら、着いたその日に誰もが思うはずです(観光ツアーとかだったら思わないかもしれない)。 文法なんて無視しているし、「隠語」「俗語」「卑語」といったスラングだらけ。でもそれが普通。 プラス、単語同士がつながったり子音が消えたて音変化したり…でもそれが普通なのです。私たちが文法通りに話さないのと同じです。 ですから、実際ネイティブが普段、 使っている単語や熟語それに言い回しをコツコツ貯めていくことが重要になってきます。

ちなみに、アンドリュー・カーネギーは、1885年のスピーチで、こう言ったそうです。 ↓

“Don’t put all your eggs in one basket,” is all wrong. I tell you “put all your eggs in one basket, and then watch the basket. ” Look round you and take notice; men who do that do not often fail. It is easy to watch and carry the one basket. It is trying to carry too many baskets that breaks most of the eggs in this country. He who carries three baskets must put one on his head, which is apt to tumble and trip him up.

「卵を全部、ひとつのバスケットに入れてはいけない」というのは、まったくもって間違っている。私の意見はこうだ。「卵は全部、ひとつのバスケットに入れて、 見守れ」
周りをよく見て注意を払う。そういう人に失敗はない。一つのバスケットを注意して運ぶことは容易(たやす)いが、 たくさんのバスケットを何度も運ぶことはかなり骨の折れることなので、国中のほとんどの卵を割ってしまうことになるだろう。3つバスケットを運ぶ場合、 その内の一つは頭上にのせることになるので、転んだり、躓(つまずい)いたりすることになる。

“Put all your eggs in the one basket and—WATCH THAT BASKET”
http://www.barrypopik.com/index.php/new_york_city/entry/put_all_your_eggs_in_the_one_basket_and_watch_that_basket2

このアンドリュー・カーネギー(Andrew Carnegie)という人は、知る人ぞ知るアメリカの実業家で鉄鋼会社を創業し、成功を収めて「鋼鉄王」と称された人だ。成功後、 彼は当時ジャーナリストだったナポレオン・ヒルに500人以上の裕福な成功者にインタビューして成功の共通点を見つけることを無償で依頼。 ヒルはカーネギーの協力者となった。彼らの成果はカーネギーの死後に The Law of Success (1928) と Think and Grow Rich (1937) というヒルの著作として出版、大成功を収めた。

彼の成功メソッドの一つ『透明カウンセラー・テクニック』を、過去にえいごモンで取り上げています。よろしければ参考にしててください。

【 if について 】

学校では「もし~なら」といった意味で教えられますが、この言葉に縛られると使いづらいし解釈もしにくいです。ということで、 この日本語を一旦捨てて、if という語がどういった時に使われるのか、という状況を考察していきましょう。

if を使えば条件を選択することができます。というより、ある条件選択に迫られた時、ボクたちの口から発せられる第一声は ” if ”だといったほうが良いかも。条件を選択すれば、それに続く未来を推測することも可能になります。つまり、

AをすればBになる = Aという条件を選択すれば、Bという未来になるだろう
CということはDということだ = Cという条件であれば、Dという現実だ

といった具合に使います。例えば、

If you don't get the lead out, we will be late for the party.
(君が)急いでくれないと(ボクたち)パーティーに遅れちゃうよ。

ここでの会話が発せられる前に

急がなければ(A)パーティに遅れる(B)

という「選択条件と予測されうる未来」の裏側に

急げば(A')パーティに間に合う(B')

という「選択条件と予測されうる未来」が同時に存在していて、話者は最初の条件(A)を(多分、無意識的に)選択して話しました。
後者の条件(A')を選択した場合は、

If you get the lead out, we'll be in time for the party.

となります。
このように「もし~」ならifを使うのではなく「条件を選択する場合にifが発せられる」というニュアンスを把持しておいたほうが、 話すときも聞くときも楽になると思います。公式的には、Aの「条件部分」は現在形。Bの「という未来になるだろう」の部分は ”助動詞will+動詞の原形”になることが多いです(本文ではshouldが使われていますが…)。助動詞を伴わない場合もあります (かなり強い表現をする場合など)。
もう少し例を上げましょう。

If you send your order by fax, we'll deliver the goods immediately. ※1
ファックスで注文していただければ、商品はすぐに発送します。

あなたがファックスで注文をする[という条件を選択すれば(A)]、[未来において]私たちは商品をすぐに発送します(B)

この裏側に存在する選択条件は
「ファックスでオーダーをいただけない場合は、直ぐに商品をお届けすることができません」

ということになります。つまり、ファックスでオーダーするかしないかという条件のうちどちらかを選択した場合の結果を伝えるためにifを使用しているのです。
ちなみに、こういう文を小難しい用語で conditional clause(条件節)などといいます。

Most tickets have been snapped up, so get cracking if you want one ※2
チケットのほとんどが買われまくっている。欲しいなら、今すぐ行動を

 snap up飛び付く、素早く取る、先を争って買う
 get cracking 急いで始める

If I win the lottery, I will buy a new car.
宝くじにあたったら、新しい車を買うぞ

かなり前向きです。これが気持ちが少し後ろ向き気味で「まあ当たらないだろうけど、仮に当たったとしたら、車を買うんだけどなあ」的な場合は

If I won the lottery, I would buy a new car.

と仮定法になります(仮定法については『第3回:結構勘違いしている、聖書のことを』を参照ください)。

If I leave this place, I will disappear. That's what I am.
この場所を離れる時、私は消えてしまうだろう。私は、そのようなものなのだ。

If you don't want to get hurt, give us the book.
痛い目に会いたくなければ、その本をこちら(我々)に渡せ!

We won't know what you want if you stay quiet.
黙っていたら(君がほしい物が何なのか)わからないだろうが。

Don't lie if you don't have to.
つかなくてもいい嘘をつくな

C→Dパターンについては、今説明した内容の発展というか応用なので、感覚的に理解できると思います。
少し例あげておくと、

If you decided to invest some of your money in shares, It wouldn't be wise to put all your eggs in your basket
株に幾らか投資しようと決めて、1社だけに絞り込むというのは、賢明ではない。

If you know someone in the biblical sense, you have had sex or sexual relations with them.
「聖書的な意味で誰かのことを知っている」とは「その人とセックスした」とか「性的関係をもった」ということです。

第3回:結構勘違いしている、聖書のことを

以上が” if ”の代表的な使い方です。この他の意を表現する” if ”もありますが(「~かどうか」的な使い方)、 ”if は条件を選択する”ということを理解していれば、そう難しくはないと思います(次に機会があればよります)。

以上を踏まえて、再度、スラッシュ・リーディングをしてみましょう。

【 スラッシュ・リーディング 】

(Did you) ever hear the expression/ 次のような表現を今まで聞いたことがありますか?
“never put all your eggs in one basket?” / 「一つに絞るな(退路は残しておけ)」という表現を
It sounds like/ それはまるで(次の)ようだ
sage advice,/ 思慮深い忠告(のようだ)
but does it work?/ しかし、機能するのだろうか?
Can you build a profitable online business / あなたは儲かるオンラインビジネスを構築することができますか?
by diversifying? / 多様化して
Probably not. / 多分できないでしょう
Diversification is a great strategy / 多角化は卓越的な戦略です。
for someone who/ (次のような)人にとっては
already achieved success. / 既に成功を成し遂げた(人にとっては)
However, / しかしながら
if you’re getting started, / あなたが始めたばかりの状況なら
you should/ あなたはすべきです
, as Andrew Carnegie says,/ アンドリュー・カーネギーが言うように
“put all of your eggs in one basket, / 一本に絞って
and then watch that basket.”/ 集中(すべきです)
I know / 私は分かっています
this goes against/ これが(私が今行ったことが)反することを
what many of you believe,/ あなた達の多くが信じていることに(反することを)
but/ しかし
hear me out. / 最後まで聞いてください

で、最後は原文で ↓

Why You Should Put All Your Eggs In One Basket

Ever hear the expression “never put all your eggs in one basket?” It sounds like sage advice, but does it work? Can you build a profitable online business by diversifying? Probably not. Diversification is a great strategy for someone who already achieved success. However, if you’re getting started, you should, as Andrew Carnegie says, “put all of your eggs in one basket, and then watch that basket.” I know this goes against what many of you believe, but hear me out.

The Thesis Statement by Derek Halpern

http://diythemes.com/thesis/eggs-in-one-basket/

実はこの文章、このあとに退路を断って戦に勝利したXiang将軍(The Battle of Julu)や、プロフェッショナルになるための10,000時間ルール (The 10,000 Hour Rule)の話がでてきて面白いので、一度、本家を覗いてみてください。 ↓
http://diythemes.com/thesis/eggs-in-one-basket/

追記:

ちょうどこの記事を書き終えた頃、たまたま観たNHKの英語番組で面白い” if ”の使い方をやっていました。 ↓

If you are open to additional cost, we can make the change.
追加費用を受け入れていただけるなら、変更は可能です

http://gogakuru.com/english/phrase/32619

canという助動詞ですが、これも「追加費用を受け入れる」という選択をしてくれたら、変更するという「未来」を作ることが可能だよ、と言っているわけですね。



【 おまけ 】

ifの例文

You can do things if you just try.
あんたは、やればできる子なんだから

If you always look so sad, you won't make any friends.
ショボくれた顔してたら、友だちもできないぞ

If I can, I'd like to read this letter.
もし叶うなら、この文(ふみ)を読んでみたいのだ

If you wanna thank us, thank us with sake.
感謝は酒で示せ

Try it if you can.
できるものならやってみろ

If you're going to try something, you may as well aim for the top.
どうせやるなら、その道の一流を目指そうぜ
(何かにトライするのなら、トップを目指したほうがいい)

You can't do it because you think you can't. For almost anything, if you try it, it'll usually work out.
できないと思うからできないの。(なぜなら)だいたいのことは、やれば何とかなるものなのよ。

If we give up, we lose!
諦めたら、負けなんです。

If you enjoy the work you do, you have something worth more than money.
仕事を楽しんでいるということは、お金以上に価値あるものを持っているということだ。

アンドリュー・カーネギー名言

As I grow older, I pay less attention to what men say. I just watch what they do.
年をとるにつれ、人の言うことに気を配ることがなくたった。ただ彼らがすることを注視する。

No man becomes rich unless he enriches others.
他人(ひと)を豊かにできない人は、豊かになれない。

When fate hands us a lemon, let's try to make lemonade.
運命がレモンを手渡してくるのなら、レモネードを作ろうじゃないか。

Teamwork is the ability to work together toward a common vision.
チームワークとは、各々の共通するヴィジョンに向かって事を為す能力のことだ。

※1 http://www.ego4u.com/en/business-english/grammar/conditional-sentences
※2 http://www.oxforddictionaries.com/definition/english/get-cracking